
目標設定のフレームワークとして有名なSMARTの法則(=SMARTルール)ですが、注意点があります。ただ単に、SMARTの法則に従って目標を設定したとしても効果を発揮しない可能性があります。
SMARTの法則を使って目標を設定したけど、目標達成が上手く行かなかったという方も多いのではないでしょうか?
私自身もSMARTの法則を使って目標設定しても上手くいかなかった経験があります。ですが、これから紹介する注意点を理解すれば、目標の達成に向かって進んでいくことができるようになります。
それでは、SMARTの法則を使った目標設定方法の注意点と、結果を出すための3つの手順について紹介します。
目次
SMARTの法則とは?
SMARTの法則は、目標設定のためのフレームワークです。「SMART」は、目標設定で満たすべき5つの条件の頭文字をとった文字列です。このフレームワークを使って目標設定を行えば、誰でも結果の出やすい目標設定が可能になります。
SMARTの内容は、以下の通りです。
(解説)目標が具体的であればあるほど、現状と目標とのギャップが明確になります。つまり、目標が具体的であればあるほど、「目標を達成するために解決すべき問題は何か?」「乗り越えるべき障害は何か?」「そのために、どんな行動を起こすべきか?」といったことが分かります。とるべき行動が明確になれば、行動を起こしやすくなります。
(解説)着実に目標の達成に向かっていくには、自分が目標に向かっていくプロセスを管理するための、測定可能な目標を設定する必要があります。測定可能な目標を設定しておくと、「どれだけ目標までのギャップを縮めることができているのか?」「あと、どれだけのギャップを埋める必要があるのか?」「そのために、どんな行動を起こすべきなのか?」といったことが分かります。
(解説)SMARTの法則の「A」を、「Attractive」と説明する人もいれば、「Achievable」と説明する人もいます。私は、どちらの視点も重要だと思うので、2つとも採用しています。設定した目標が、 やりたくなるものでなければ、行動することが難しくなってしまいます。また、設定した目標に対して、達成が難しいと思っている場合でも、意欲が低下し、行動することが難しくなってしまいます。なので、目標は、「やりたくなるもの」かつ「達成が可能だと思える」ものである必要があります。
(解説)目標設定を行う際は、「欲」や「ゴール」と関連している必要があります。実は、この部分にSMARTの法則で目標設定する際の注意点があります。※詳細は、後述。
(解説)目標の期限を明確にすることで、自分に制約を設ける必要があります。期限が設定されていなければ、いつまで経っても行動に移すことができません。易きに流れてしまいます。
目標設定でSMARTの法則を活用するときの注意点
目標設定でSMARTの法則を活用するときの注意点があります。注意点は、「Relevant(関連性がある)」の部分にあります。
それは、「欲」や「ゴール」との関連性が高い目標を設定する必要があるということです。「欲」や「ゴール」との関連性が低い目標を設定しないように注意する必要があります。
SMARTの法則で目標設定を行っても、意欲が湧かず、行動できない人がいます。その原因は、「欲」や「ゴール」との関連性が低い目標を設定しているからです。
つまり、自分の欲求や、望む状態(ゴールのこと)を無視した目標設定を行っているため、目標を達成しようとするエネルギーが生まれないのです。
この問題は、会社の目標設定などで起こりやすいです。目標設定をする社員が、自分の欲求や望む状態を無視して、会社から与えられた目標を設定しまいます。そのような目標に対しては、当然、意欲が湧きません。
SMARTを使った目標設定で、結果を出すための3つの手順
目標設定を行う際は、「欲」や「ゴール」との関連性が高い目標を設定する必要があります。そのために、以下の3つの手順を行って目標設定を行ってください。
手順1:「欲」を明確にする
まずは、自分の「欲」を明確にする必要があります。「~になったら嬉しい!」「~が欲しい!」「~になりたい!」「~をやりたい!」といった、自分の欲求を知ることから始めて下さい。
自分の欲求を知るためには、自分に自問自答をします。
- 自分はどうなりたいのか?
- 自分は何を求めているのか?
- 自分のやりたいことは何なのか?
- 自分の望みはなんだろうか?
こういった質問に対して、考えを巡らせてください。すぐには分からないかもしれません。1週間、1ヶ月と考えているうちに、だんだんと分かってきます。
そして、自分の欲求は、年齢や、成長によって変わっていきます。そのため、自分の欲求を知ろうと、常に意識して生活することが大切です。
手順2:「ゴール」を明確にする
ゴールとは、こうなったら嬉しいという、望む状態のことです。欲というのは、ぼんやりとしていて、どうなったら嬉しいのか、望む状態が不明確である場合が多いです。なので、ゴールとして、欲を整えてあげる必要があります。
ゴールを持つことで、自分が目指すべき方向性が明確になります。その結果、ゴールに向かうための創造力や行動力を発揮することができるようになります。
ゴール設定の条件は、
- やりたいことであること
- 現状の外に設定すること
- 様々な分野においてゴールを設定すること
です。
上記の条件を満たして、ゴールを設定することで、やる気、創造力、行動力といった、自分のパフォーマンスを高めることができます。
簡単に3つの条件について説明しておきます。
ゴール設定の条件1について
やりたいことでなければ、そのゴールに向かっていくための意欲が湧きませんし、高いパフォーマンスを発揮することもできません。
ゴール設定の条件2について
現状の外にゴールを設定することで、パフォーマンスを高めます。人間は、現状と理想のギャップを埋めようと創造力や行動力といったパフォーマンスを発揮します。
なので、ギャップが大きければ大きいほど、パフォーマンスが高くなります。パフォーマンスが高い人と、低い人は、どちらが目標の達成率が高くなるのかは言うまでもないでしょう。
ゴール設定の条件3について
私たち人間は、幸せな人生を送ることを望んでいます。そのため、仕事のゴールだけでなく、趣味のゴール、人間関係のゴール、健康のゴール、社会貢献のゴールというように、様々な分野のゴールを設定することが大切です。
1つのゴールしか設定していないと、例えば、「お金はあるけど、みんなから嫌われている。」というような状態になってしまう可能性も考えられます。そのような偏った人生になってしまわないように、人生のあらゆる分野にゴールを設定することが大切です。
また、様々な分野においてゴールを設定することで、相乗効果を生み出します。1つのゴールを達成することで、他のゴールに対する意欲も高まります。
手順3:「目標」を設定する
最後に、SMARTの法則を使って、目標を設定します。
手順1と手順2を踏まえた上で、手順3の目標設定を行います。そうすることで、「欲」と「ゴール」との関連性が高い目標を設定することができます。
自分が本当に望んでいる「欲」と、自分の本当に望む「ゴール(=状態)」が明確になっていれば、目標に対する意欲も高くなります。
もし目標に対する意欲が低いと感じられたなら、もう一度、「欲」と「ゴール」を見直す必要があるかもしれません。
まとめ
目標設定でSMARTの法則を使うと、しっかりとした目標を設定することができます。ですが、目標だけを設定するのではなく、自分の欲求やゴールを明確にした上で、目標を設定する必要があります。
これまでSMARTの法則を使って目標を設定しても、なかなか意欲を感じられず、行動できなかった人は、この記事の内容を実践して下さい。目標の達成に向かっていけるようになるでしょう。
- SMARTの法則、「Specific(目標は具体的である)」「Measurable(測定可能である)」「Attractive & Achievable(やりたくなる & 達成が可能だと思える)」「Relevant(関連性がある)」「Timely(期限が明確である)」に従って、目標を設定しよう!
- 「欲」と「ゴール」との関係性の高い目標を設定しよう!
- 「欲」→「ゴール」→「目標」の順番で、目標を設定しよう!