
なかなか集中できないで悩んでいる人も多いと思います。そんな方に、没頭する技術をお伝えします。
モチベーション理論の1つに、「フロー理論」があります。「フロー」とか「ゾーン」とか呼ばれ、すでにご存じの方も多いのではないかと思います。
フローとは、その活動に没頭している状態のことです。
なので没頭する技術、つまり自分がフロー状態になるための方法をご紹介したいと思います。
フロー理論では、次のようなことが分かっています。
- 課題と能力のバランスがとれている時にフロー状態が起こりやすい。
- 自分よりも活動に対して意識が向けられている時にフロー状態が起こりやすい。
- 価値があると感じられる活動に対してフロー状態が起こりやすい。
フローに関しては今もなお研究が行われているテーマなので、これだけがすべてではありませんが、私たちができるだけ簡単にフロー状態に入るために、この3点に絞ってお伝えしました。
そしてこれらの特性から、私たちが何をすれば没頭できるのか、つまりフロー状態になれるのか、その方法をご紹介したいと思います。
課題と能力のバランスをとること
まず課題と能力のバランスをとることです。
課題が簡単過ぎると退屈になるし、課題が難しすぎるとストレスを感じてしまいます。つまり、続きません。
また、はじめは課題と能力のバランスがとれていても、自分の能力が向上するに従って、課題と能力のバランスが崩れ始めます。そのズレに気づいて、上手に課題の難易度も上げていく必要があります。つまり、ほどよい挑戦をする必要があるということです。
例えば、時間制限を設けたり、記憶する量を増やしたり。自分でルールを決めて、挑戦してみるということです。いろんなルールや課題を設けて、「自己ベスト」を目指すゲームように楽しんでみるのがいいと思います。
セルフトークを止めること
セルフトークとは、自分の心の中の声です。コーチングでは、非常に重要な概念です。このセルフトークを止めることで、フロー状態に入りやすいと私は考えています。
なぜならフロー理論では、「自分よりも活動に対して意識が向けられている時にフロー状態が起こりやすい。(上記のリストの2番目)」ということが分かっているからです。
「自分」と「活動」のどちらに、どれだけの意識が向けられるのかということですが。例えば、自分に意識が向いている状態というのは、こんな感じです。
「あ~、やりたくないなぁ。」
「これっていつまでに提出だったっけ?」
「というか、今日の予定ってどんな感じだったっけ?」
「あっ、あれもやらないといけないのか!」
みたいになっている意識状態です。
このように心の中の声を見える化すると分かりますが、完全に自分に意識が向いています。活動には意識が向いていないことが分かりますよね。そしてどこに意識が向いているかは、セルフトークで分かります。
実際、私たちが集中できていない時は、上記のようなセルフトークになっているのではないでしょうか?
だからこそ、セルフトークを一旦止めるということをするわけです。意識して心の中の声を止めるわけです。
イメージとしては、「ぐだぐた心の中で言ってても仕方がないから、(心の中の声を)黙って集中しよう!」って感じです。
フロー状態のイメージトレーニングをすること
イメージトレーニングによってフロー状態を脳と体に覚えさせるという方法もあります。
過去に没頭していた時の体験を振り返り、それを頭の中でイメージします。没頭している時の、セルフトークや、味わっている感情、感覚を思い出し、味わうのです。
このようなイメージトレーニングを繰り返すことで、自分がフロー状態になっている時の感覚を覚えます。そうすると、フロー状態に入りやすくなると言われています。
価値を見出すこと
フロー理論では、「価値があると感じられる活動に対してフロー状態が起こりやすい。」ということが分かっています。
ということは、私たちは活動に対して価値を見出す必要があります。今やっている活動が自分にとってどのような価値があるのかを考えてみるといいかもしれません。
質問にするとこうです。
「これは自分にとってどのような価値(意味)があるだろうか?」。
これまで4つの方法をお伝えしました。ぜひ没頭するために4つの方法を実践してみてはいかがでしょうか?