
「目標を達成するにはただただ頑張らなければいけない。」、もしそう思っているなら、もしかするとその考え方が目標達成を難しくしているかもしれません。
人間には、自分を理性的にコントロールするための意志力が備わっています。ですがこの意志力には、限界があります。意志力は、よく筋肉に例えて説明されます。「意志力は筋肉と同じで消耗する」と。
例えば、私たちは朝は元気ですが、夜は疲れていますよね。「資格試験の勉強を夜にやろう!」と思っても、大抵は仕事から帰ってきたら身体と同じく意志力も疲れています。なので、「やらないと!やらないと!」と思いながらも、グダグダとテレビを見たり、スマホをいじったり、ぼーっとしてしまうわけです。
なので夜に何かをしようとすると、たいてい失敗します。本来は重要なことであっても、意志力が疲れているので、後回しにしてしまうんです。だから、やるなら朝です。重要なことは朝にすべきです。
ここで話を戻します。
意志力には限界がある。だから、頑張るのにも限界があるということです。
そこで、無意識の力を活用しようというのが、この記事のテーマです。つまり、「いかに頑張らなくてもいいようにするのか?」というお話です。
そこで使えるのが、モチベーション理論の1つ「自動動機」です。自動動機というのは、無意識が目標を達成させようとする人間の仕組みです。
この仕組みを利用します。
では、どうやるのでしょうか?方法はいろいろと考えられますが、最も簡単な方法をご紹介したいと思います。
その方法とは、「目標達成に関係する言葉やメッセージをいろいろなところに設置する」という方法です。
言葉やメッセージが目に入ると、それが引き金となり、無意識が反応します。そして目標達成のために無意識が働いてくれます。
例えば、資格試験合格が目標だとします。その目標に関係する言葉やメッセージを設置します。例えば、スマホの待ち受け画面や、PCのデスクトップ背景、PCのキーボード、マウス、自宅のドア、トイレなど。デジタル画像として設定したり、付箋や張り紙を設置します。
そして言葉やメッセージの内容ですが、「資格試験を楽しむ行動を選択する!」「資格試験に合格するための行動を選択する!」「朝起きたら1問解く!」とかです。
ちなみに上のメッセージには、心理テクニックを使っています。
「○○な行動を選択する!」と表現することで、「普段、自分の周りにはいろいろな行動の選択肢が無数に存在しており、それらを自分で選び取っている」ということを自覚し、望ましい特定の行動を選択しやすくなるようにしています。
もちろん、単純に「資格試験は楽しい!」「資格試験合格!」でも構いません。
このように言葉やメッセージを自分の生活環境に散りばめることで、自分では意識することはできませんが、無意識が目標達成に向かわせてくれるようになります。
ですが最後に、注意もしておきますね。
自己啓発系の話では、この記事の内容のように「無意識」という言葉がよく出てきたりします。ですが、無意識に全幅の信頼を寄せて、「無意識に任せれば上手くいく!」と考え、「だから、何もしなくても大丈夫!頑張らなくても大丈夫!」と思ってはいけません(と“意識”してはいけません)。そういう考えを持ってしまうと、人間つまり無意識は楽を求める生き物なので、「何もしない」というアクションをとってしまいがちです。
一方、冒頭で述べたように「目標を達成するにはただただ頑張らなければいけない。」というのは意志力に頼り過ぎているため、返って頑張れなかったり、あるときポキリと精神的に折れてしまう可能性があります。
なのであくまでも、無意識の力も使いつつ、意識の力も使いつつという感じでやっていくのがいいと思います。