
起業に対して不安を感じるのは当然のことです。ですが、不安に負けてしまうと、いつまでも起業するのに必要な行動を起こすことができません。
そうなると、「起業する!起業する!」と言いながら、起業予備軍のまま人生を終えてしまうことに繋がります。
そこで、起業したい人が、起業に対する不安を解消する方法を紹介します。
これから紹介する方法を実践すれば、起業に対する不安を解消することができ、起業に向かって必要な行動をとっていくことができるようになります。また起業後のビジネス活動においても、これから紹介する方法は役立ちます。
目次
起業家のための、5つの不安解消法
起業を志す上で、不安との付き合い方は大切です。不安に負けてしまうと、起業に必要な行動をとることができずに、いつまで経っても起業できないままです。そこで、起業家のための5つの不安解消法(メンタル術)を紹介します。
①不安をエネルギーとして使う!
起業に対する不安を解消するのに、最もおすすめの方法が、不安をエネルギーとして使う方法です。
研究によって、感情に対して、どのような意味付けをするかで、私たちのパフォーマンスが違ってくるということが分かっています。
つまり、一般的には「不安はダメなもの」だと意味付けされていますが、「不安は良いもの」だと意味付けすることで、私たちは不安をプラスに利用することができるということです。
実際、起業したい人が不安を感じるのは、起業したいという強い意欲(=エネルギー)があるからです。そもそも起業に対する意欲がない人は、不安を抱きません。
なので、あなたが起業に対して不安を抱いているのは、「高いエネルギーがある証拠」であり、良いことなのです。
「不安を感じるからダメだ!」と諦めるのではなく、「自分には高いエネルギーがあり、そのエネルギーを、起業して成功するための行動に使おう!」と考えるべきです。
不安をエネルギーとして使って下さい。
②「○○」するのを止める!
もし不安という感情の裏に秘められたエネルギーを使えなかった場合、その不安は、起業家の創造性と行動力を低下させます。
そんな時には、妄想するのを止めることが大切です。
実は、「不安の正体は、妄想」です。
なぜなら不安は、実際に起こっていない未来のことに対して、良くないことを想像したときに感じる感情だからです。つまり、「実際に起こっていないことを想像している = 妄想」だということです。
なので不安を感じたら、すぐに「不安の正体は、妄想」だと思い出し、妄想するのを止めましょう。
この方法はシンプルな方法ですが、意外と効果があります。妄想しなくなると、それ以上の不安を感じることがなくなるからです。あとは次に紹介する方法で、不安に対する対策を考えておくと良いでしょう。
③紙に書き出し、対策を考えておく!
不安というのは、非常に便利な感情です。エネルギーとして使うこともできますし、起こりうるリスクへの準備にも使えます。
これから紹介する方法は、起こりうるリスクへの準備として不安を利用する方法です。
まず紙に、不安を吐き出すように、すべて書き出します。不安を言語化し、見える化することで、「妄想によって生じた不安」は「解決すべき問題」に変わります。
あとは問題が起こったときの対策を考えます。このとき、複数の対策案を考えると、より不安が解消されていきます。
不安は「もし、~になったらどうしよう?」というネガティブな妄想をすることで生じる感情なので、それに対して「もし、~になったら、こうする!」という対策案が見つかってしまえば、過度な不安を感じることはなくなります。
不安の正体は、妄想であり、今、起こっていないことです。なので、妄想し続けても意味がありません。不安を問題に変え、対策を考える。そして、あとは妄想するのを止めて「行動あるのみ」です。
もし問題が起こっても、すでに対策法を考えてあるわけですから、心配する必要はありません。心配することよりも、やるべきことがあるはずです。
④不安に対して反論する!
これまでの方法を使っても不安から抜け出せない人は、不安に対して反論することで、不安を解消する方法があります。私は、それを反論法と呼んでいます。
不安から抜け出せない人は、客観視が苦手な人や、客観視ができないほど過度な不安を感じている人です。要するに、妄想から抜け出せない人です。
ですが反論する作業を行うことで、客観的に思考することができるようになり、妄想から抜け出せます。
やり方は、簡単です。
不安に思うことを全て書き出し、その1つ1つに対して、反論する内容を書き出していくだけです。
ここで重要なのは、反論の内容が論理的かどうかは気にせずに、複数の反論を考えることです。自分の不安が解消されればいいので、論理的かどうか厳密にこだわる必要はありません。
例えば、「起業して失敗したらどうしよう。」という不安に対して、次のような反論文を考えます。
- 「起業して失敗しても、自分が成長できるから良いではないか。」
- 「起業して失敗しても、命までは取られないから問題ない。」
- 「起業して失敗しても、また別の事業で挑戦すればいい。」
- 「起業して失敗したときに、どうするか考えればいい。」
- 「もし起業して失敗したら、働かせもらえるよう知り合いにお願いしておこう。」
- 「起業して失敗しても大丈夫なように、今から貯金を蓄えておこう。」
- 「起業して失敗しても大丈夫なように、事業が安定するまでは、今の仕事を続けて、ダブルワークをしよう。」
上記の各反論文の良し悪しは、考慮しません。とにかく不安を書き出し、反論を考える作業を行うことが大切です。
反論を考える作業を行うことで、不安を感じていた物事が、実は思っているほど大したことではなかったことに気づいたりします。または不安に対処する方法を思い付くことができ、不安が低減します。
⑤利害関係のない第三者からアドバイスを受ける!
最後に、どうしても不安から抜け出せないという人は、利害関係のない第三者からアドバイスを受けるようにすることです。
「利害関係のない第三者」に相談することがポイントです。
もし利害関係のある上司などに相談すると、彼らの望む方向に誘導される可能性があります。その結果、あなたが本当に望んでいる方向とは違った方向に進んでしまう可能性があります。
また親のような近しい関係の人への相談も避けた方が良いでしょう。なぜなら、あなたの不安に同調して、自分も相手も客観的に物事を考えられなくなる可能性があるからです。それは根本的な不安の解消には至りません。
不安について相談するなら、プロに相談しましょう。起業に関してならコンサルタント、お金についてなら税理士、会計士、ファイナンシャル・プランナーなどのプロがいます。
またマインド(脳と心)に関してならコーチに相談することも良いでしょう。コーチは、マインドの専門家であり、まさに不安について相談するのにピッタリなプロフェッショナルです。
「起業したいけど、不安です。」「そもそも起業したいのか分からない。」「本当に起業していいのか迷っている。」といった内面的なことは、コーチに相談してみましょう。
起業するなら「不安に強い起業家になる」ことが重要な理由とは?
起業するなら、不安に強い起業家になる必要があります。これまで起業に対する不安を解消する方法について説明してきました。ここで、不安に強い起業家になる必要性について考えてみましょう。
①行動しないと起業はできない。
当然ですが、行動を起こさないと起業はできません。
ですが不安に負けてしまうと、行動しないままで、起業をせずに人生を終えてしまうことになります。「起業する!起業する!」と言いながら、いつまでも起業予備軍のまま、歳を重ねていくことになります。
そのため、起業する準備段階から、不安に対する強さが求められます。
②不安になると判断力が鈍る。
起業は、売上が上がり安定するまで、走り続ける必要があります。その過程で、様々な決断が求められます。ですが人間は、不安になると、判断力が鈍ります。
将来における良くないことを想像するあまり、積極的な行動をとるべきなのに、保守的な行動をとってしまったりします。その結果、十分な売上を上げるのに時間がかかり、その間に資金繰りが厳しくなり、事業が低迷していきます。
起業で成功したいなら、不安に負けず、冷静な判断力を維持する必要があります。
③不安になると行動力が低下する。
起業して成功するには、起業してからの行動力がカギを握ります。ですが不安にとらわれると、思うように行動できなくなってしまいます。
例えば、起業したものの「本当に十分な売上が上がるのだろうか?」と不安を感じ始めると、とたんに行動にブレーキがかかります。
そして、思うように行動できていない自分を認識すると、さらに「このままで、大丈夫だろうか?」と不安に駆られます。そうやって不安が不安を生み、どんどん行動力が低下していくのです。
このような状態に陥らないようにするには、やはり不安に強い起業家でいる必要があるのです。
不安に強い起業家になる方法
起業するには、そして起業して成功するには、不安に強くなる必要があります。
ビジネスにはリスクがつきまといます。なので不安に強くならないと、起業家として高いパフォーマンス(=行動力、創造力、問題解決力、決断力など)を発揮できません。起業家のパフォーマンスが低ければ、当然、ビジネスの成長・成功は望めません。
不安に強い起業家になるには、高いエフィカシーが必要です。
エフィカシーとは、自分のゴールを達成する能力に対する自己評価のことです。簡単に言うなら、エフィカシーとは「自分ならデキる!」と、どれだけ強く思っているかという度合いです。
人は、エフィカシーの高さによって、行動が制限されています。そしてエフィカシーが高いと、不安を感じにくくなります。反対に、「自分は成功できる!」という自信を持てるようになります。その結果、パフォーマンスも高くなります。
なので起業したい人にとっては、高いエフィカシーを持つことは非常に重要になってきます。エフィカシーの高さが、起業できる人と、起業できない人を決めます。
エフィカシーが高く、自分ならデキると思っている人は、起業に向かって行動を起こしていくようになりますが、エフィカシーが低く、自分はデキないと思っている人は、起業に向かう行動にブレーキがかかってしまいます。
なので起業をしたいなら、徹底的にエフィカシーを高めていく必要があります。
エフィカシーを下げない方法
エフィカシーを高める方法には、いくつも方法があります。ですが、ここではエフィカシーを下げない方法を紹介します。まずはエフィカシーを高めるよりも、下がらないようにすることが基本だからです。
エフィカシーを下げないようにするには、ネガティブな言葉を使わないことです。
言葉は、私たちの脳内にイメージを想起させ、言葉とイメージに合致した感情を生み出します。そして「言葉」「イメージ」「感情」によって、自己認識が作られます。
つまり、ネガティブな言葉を使うと、ネガティブなイメージが脳内で作られ、ネガティブな感情を生み出し、ネガティブな自己認識を作り出すということです。そのネガティブな自己認識が、低いエフィカシーそのものです。
実際、不安を感じているときは、ネガティブな言葉を使い、ネガティブなことをイメージ(=妄想)し、ネガティブな感情(=不安)になっています。
そして、ネガティブな言葉とイメージ、感情(=不安)から、「自分は起業しても失敗するかもしれない」「自分は起業には向いていないのかもしれない」といった自己認識を作り、低いエフィカシーになってしまうというわけです。
なので、まずは徹底的にネガティブな言葉を使わないようにして下さい。口ではポジティブな言葉を使っていても、心の中ではネガティブな言葉を使っていてはダメです。心の中でもポジティブな言葉だけを使って下さい。
その日々の積み重ねが、高いエフィカシーを育てていきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
不安をエネルギーとして使う方法を始め、いくつかの不安解消法を紹介してきました。ここで紹介した方法を実践すれば、起業に対する不安を解消し、具体的な第一歩を踏み出すことができるようになるでしょう。
またエフィカシーを高めることで、あなたは起業家に必要なパフォーマンス(=行動力、創造力、問題解決力、決断力)を発揮することができるようになります。そのためには、まずはエフィカシーを下げないように、ネガティブな言葉を使わないことです。
コーチは、エフィカシーの高め方も教えます。当ブログでも、エフィカシーの高め方について教える記事を書いていく予定なので、そちらも参考にして下さい。